2007 Fiscal Year Annual Research Report
アレー効果を伴う人口動態論から由来する非線形楕円型境界値問題の研究
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19540192
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
梅津 健一郎 Maebashi Institute of Technology, 工学部, 准教授 (00295453)
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Keywords | 線形化固有値問題 / 主固有値 / 凹型非線形楕円型方程式 / 正値解 / 変分法 / ネハリ多様体 / 非線形境界条件 |
Research Abstract |
今年度は本研究課題の初年度にあたり,次の二つの問題を考察した. 1,線形化固有値問題の主固有値の漸近挙動について. 本研究課題の目的の一つに,自明解の枝からの分岐解のパラメータに関する局所的,大域的振る舞いを調べることがある.主固有値は分岐点を与える重要なパラメータ値であり,これが方程式に内在する係数にどのように依存するかを調べた.特に,正値主固有値が無限大に発散するための必要条件,十分条件を得た.境界条件はノイマン及びロバン型境界条件を扱った. 2,凹型非線形項をもつ半線形楕円型境界値問題の正値解の存在について. 変分法により問題の正値解の存在について調べた.ネハリ多様体と呼ばれる,方程式の変分構造から決まる関数空間で変分法を展開し,従来標準的に用いられてきた停留点を求めるためのコンパクト性に関わる議論を適用することが困難な凹型非線形項を研究した.ルベーグ積分論の基本的な結果であるファトゥの補題を援用し,この困難を克服し正値解の存在を示した.アレー効果を伴う非線形項の場合には正値解の多重性が期待される.ここで展開されたアプローチは,この多様体の構造を詳細に調べ分割分類することによって,解の多重性を引き出す可能性をもっている.
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Research Products
(6 results)