2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540200
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
久保 明達 Fujita Health University, 衛生学部, 教授 (60170023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅沢 栄三 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 講師 (50318359)
斉藤 宣一 富山大学, 人間発達科学部, 准教授 (00334706)
手嶋 久三 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科研究院, 研究員 (70288471)
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Keywords | 腫瘍の増殖と転移 / 数理モデル / 腫瘍の血管新生 / パターン形成 / 数値シミュレーション / 数理医学 / 国際研究集会 / 2モデルの数学的同等性 |
Research Abstract |
1.平成19年9月に、一週間M. Chaplain(Dundee University, UK)氏を日本に招聘した。その機会に数理医学を中心とした国際研究集会(9月25・26日)"Workshop on Mathematical Modelling and Analysis of Biological Pattern Formations and the Related Topics"(http:/www.fujita-hu.ac.jp/~akikubo/)を開催し,それに合わせて海外からSteven MacDougall, Cornelis J Weijer, Robert D Reed氏を招聘し,腫瘍の増殖に関する数理的アプローチの基礎的背景となった数理生物におけるパターン形成の分野も含め,国内からもこの分野で活躍する研究者達(走化性・チューリングパタン・進行波・動植物におけるパタン形成等)を招聘し最新の結果が報告され議論がなされた.研究代表者と研究分担者(斉藤宣一・梅沢栄三)並びに当研究室の学生たち全員,細野雄三・近藤滋・関村利夫氏らの協力を得て組織委員を構成し運営した.そこで腫瘍の増殖・転移・血管新生と関連分野における最新の結果を収集、国内外の関連領域の研究者と研究連絡と情報収集を行うことができた。また会議において,研究代表者を中心とするグループの腫瘍の増殖に関する最新の結果報告がなされた.国内外の関連した研究者達との打ち合わせおこなって研究の分担・方法・スケジュールについて確認した結果,来年度7月に行われるM. Chaplain氏が大会委員のヨーロッパ理論生物学会がエジンバラで行われる予定であり,研究代表者に腫瘍の増殖の数理的研究分野での参加の依頼があった。これを契機にさらにこの方面の海外研究者との継続的な情報交換ができるような体制をつくる予定である。 2.研究代表者は1で紹介された腫瘍の増殖に関する最新の数理モデルのうちM. Chaplain and G. LolasによるMathematical modeling of cancer invasion of tissue: Dynamic heterogeneity,2006について数学的解析を試みた。これはすでにChaplain氏がAndersonと共に提唱している腫瘍の増殖も出るをより一般的にかつ精密にしたものである。すでに研究代表者はこのAnderson & Chaplainモデルの数学解析に成功しているが,Chaplain & Lolasモデルは基本的方向性は同じであるにもかかわらず,より多くの要素の相互作用が導入されているため前者において有効であったテクニカルな意味での数学上の簡易化が行えず,モデルの持つ数学的本質をより見極めた解析がひつようとなるとなることが予想される。研究代表者らはこれら困難点の克服のため多くの時間を費やすこととなったが,時間大域解の存在を示す過程において,適当なイテレーションスキームを構成し各スキーム上で必要な数学解析が行えることがわかりこの困難点を克服しChaplain&Lolasモデルの数学解析に成功した。 3,腫瘍の血管新生におけるOthmer and Stevens modelとAnderson and Chaplain modelの数学的関連性について相互の完全な関連性を見つけることができた。すなわち,一方から一方へすべて形式的式変形を用いて帰着させることできるようになった.このことにより今まで全く別々に行われてきた両モデルの各種研究結果はそれぞれお互いのモデルにそのまま置き直し、完全な読み替えが可能になったといえる。
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Research Products
(1 results)