2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540205
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
濱田 英隆 Kyushu Sangyo University, 工学部, 教授 (30198808)
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Keywords | 単葉 / 変換写像 / レブナー微分方程式 / 螺旋型写像 / 国際情報交換 / ルーマニア:カナダ |
Research Abstract |
単位円盤U上の正規化された単葉正則関数に対しては、増大度定理及び係数評価式が成り立つことが知られている。H. Cartan(1933)は、これらの結果は多変数の単葉正則写像については成り立たないことを指摘し、星形正則写像について研究するよう勧めている。Hamada-Kohr(2000)は、複素n次元の単位球上の正規化された多変数のα型螺旋型正則写像に対して、増大度定理を示した。 本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 n次元複素ユークリッド空間の単位球上の正規化されていない単葉なsubordination chainとLoewner微分方程式との関係について研究した。そのために、変換写像に対する初期値問題の最も一般的な形について研究し、解の存在と一意性を証明した。また、可測な行列値写像に関する一般化された螺旋型写像の概念を導入し、正規化されていない単葉なsubordination chainの観点からこの概念を研究した。そのような螺旋型写像は、単葉なsubordination chainの第1要素として埋め込めることを証明した。また、対角行列値写像に関する螺旋型写像の様々な例を与えた。可測な行列値写像が、定数写像の時は、線形写像に関する通常の螺旋型写像の概念を得る。 上記の応用として、正規化された対角行列値写像に関する螺旋型写像に対して、増大度定理を示した。
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