2007 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界指数をもつ非線形放物型方程式の解の特異性と挙動に関する研究
Project/Area Number |
19540210
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
溝口 紀子 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 准教授 (00251570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 英二 東北大学, 理学研究科, 教授 (80174548)
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Keywords | 半線形熱方程式 / 爆発 / 超臨界指数 / 組みひも群 / タイプII / 弱解 |
Research Abstract |
冪の形の非線形項をもつ半線形熱方程式の解が有限時間で爆発するとき、対応する常微分方程式の解の爆発のオーダー以下の爆発はタイプI、そうでない爆発はタイプIIと呼ばれる。非線形項の幕pがSobolevの埋め込み定理の意味で劣臨界指数の場合はタイプIの爆発しか起こらないことは以前からよく知られていた。pが超臨界指数の場合にタイプIIの爆発を起こすような解が存在することは既知であったが、そのrateについては全く研究されていなかった。 放物型方程式の2つの解の間の交点数が時間に関して非増加であることと、微分係数もOになっていれば交点数はその時刻で減少するという性質は、放物型方程式の解の挙動の研究において重要な役割を果たしてきた。しかし、タイプIIの爆発のrateを調べるためにはそれでは不十分である。そこで3つ目の解をうまく構成し3つの解の間の交点数だけでなくそれらの動きを注意深く追うことによってタイプIIの爆発のrateをpがLepinの指数より大きい場合に決定した。 次に、これらの3つの解に組みひも群の理論を適用することによってpに関する仮定をJoseph-Lundgrenの指数より大きいという条件に改良した。さらに、最初の論文では非常に複雑な解析的な評価を必要としたが、組みひも群の理論を適用することによりその複雑さを解消し証明を簡単にすることができた。組みひも群を偏微分方程式に応用することはGhrist等により始められたが、ここで用いた方法は彼らの視点とは全く異なる。また、個々の方程式の形に依存しないので多くの方程式への幅広い応用が期待される。実際、爆発後の弱解としての解の延長の一意性の研究にも応用した。また、解析学と代数学や幾何学との融合という観点からも興味深いと思われる。
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Research Products
(24 results)