2008 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界指数をもつ非線形放物型方程式の解の特異性と挙動に関する研究
Project/Area Number |
19540210
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
溝口 紀子 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 准教授 (00251570)
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Keywords | 爆発 / 非線形 / 超臨界指数 |
Research Abstract |
半線形拡散方程式u_t=Δu+|u|^<p-1>uの初期値問題の解が有限時間で爆発するとき、対応する常微分方程式の解と同じオーダーで爆発する場合はタイプI、それより速い速度での爆発はタイプIIと呼ばれている。 1. 時間が爆発時刻に近づくときタイプIの爆発をする解が爆発点の近傍でどのような振る舞いをするかについて調べた。爆発点の近傍での解の挙動を調べることは、Giga-Kohnで導入された逆向きの自己相似的な変数変換によって書き換えられた別の方程式(GKと書く)の時間大域解の時刻無限大での挙動の研究に帰着することができる。方程式GKの時間大域解はその定常解に収束することが分かっている。従って、方程式GKの定常解の構造を知ることが不可欠である。非線形項の冪がLepinの指数より大きい場合に方程式GKの定常解が存在するかどうかという問題は15年以上未解決のままであったが、本年度の研究により存在しないことを証明した。 2. 非線形項の冪がSobolevの意味で超臨界指数の場合はHerrero-Velazquezによって具体的なrateでタイプIIの爆発をするような解が構成された。しかし、任意のタイプIIの爆発解がどのようなrateで爆発するかについて、昨年度のMizoguchiは非線形項の冪がLepinの指数より大きい場合に特異定常解との交点数を用いて特定した。放物型方程式の質的な研究では2つの解の間の交点数に関する性質が効果的に用いられてきたが、タイプIIの爆発のrateの研究ではそれでは不十分であった。そこでMizoguchiは3つの解を上手く構成し、その間の交点の動きを注意深く追うという新しい方法を開発した。本年度の研究ではMatanoによって定義された組み紐群における放物的縮約の概念をこの3つの解に応用することによりMizoguchiの結果を改良した。
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Research Products
(7 results)