2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540214
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉 正己 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (80232362)
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Keywords | 作用素環 / 半群 / 生成作用素 / 群作用 / テンソル圏 / K-理論 |
Research Abstract |
Hilbert空間Hの有界自己共役作用素全体B(H)の部分代数で、共役演算と適当な位相に関して閉じたものを作用素環と呼ぶ。特に、ノルム位相について閉じたものをC*-環、弱位相について閉じたものをvon Neumann環と呼び、これらが作用素環論の中心的研究対象である。 1990年代前半のG.Elliottの研究以来、C*-環のK-理論による分類の研究は大きな発展を遂げた。特に、Kirchberg環はK-群により完全に分類されることが知られている。しかし、von Neumann環の場合に比べ、C*-環への群作用の研究は大きく後れを取っている。千葉大学理学部の松井宏樹氏と共同で、Kirchberg環への群Z^2の作用の研究を、KasparovのKK-理論を使って行った。 B(H)の単位元を保つ準同型からなる1径数半群をE_0-半群と呼ぶ。E_0-半群のコサイクル共役類と、product systemと呼ばれるHilbert空間のある種の連続テンソル積分解の間に、一対一対応があることが知られている。E_0-半群はI型、II型、III型に分類され、I型E_0-半群はその指数により完全に分類されるが、II型、III型のE_0-半群については、知られていないことが多い。BhatとSrinivasanは、sum systemの概念を導入して、divisibleなsum systemから得られるproduct systemは常にIII型であることを示した。一方、Srinivasanと研究代表者は、Generalized CCR flowの概念を導入して、そのproduct systemがsum systemから構成されることを示した。この対応を利用して、すべてのsum systemはdivisibleであるという予想の研究に取り組んだ。
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