2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540219
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
村田 嘉弘 Nagasaki University, 経済学部, 教授 (60212255)
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Keywords | 可積分系 / パンルベ方程式 / 行列型パンルベ方程式 / 変換群 |
Research Abstract |
パンルベ方程式を従来と全く異なる観点から統一的に研究するための手段として、グラスマン多様体上の反自己双対ヤンミルズ方程式を射影的ジョルダン群で退化させて得られる行列型の常微分方程式「行列型パンルベ方程式」を導入したが、この行列型パンルベ方程式の解の構造に関し、2つの観点から研究を行うのがこの課題研究の目的である。1つ目の観点は行列型パンルベ方程式の解の変換群の構造の決定であり、2つ目は、Penrose 変換(=twistor 対応)を利用した行列型パンルベ方程式の解の表示の研究である。広いクラスの解に対して表示式を得るには、変換群についての知見が必要であるため、この2つの観点は独立ではない。また、Penrose変換による解の表示の研究は、パンルベ方程式の既約解の構造の解明に繋がる。 平成19年度の研究実施計画は、この1つ目の観点を推し進めることであったが、以下の結果を得た。 まず、行列型パンルベ方程式M_λとパンルベシステムS_Jとは、J=III、V、VIのときは直接、変数変換で移りあい、J=II、IVのときには、中間の多項式ハミルトン系N_λを経て、変数変換で移りあうことに注意する。M_λの定義されているグラスマン多様体には共形変換群が作用するが、共形変換群のうちM_λの形を保存する変換(ゲージの補正を含む)の成す部分群がM_λの解の変換群であり、S_Jの解の変換群の起源となっている。つまり、この変換群が直接、又はN_λの変換群を経由してS_Jの変換群になる。 平成20年度に、この結果の詳細を発表する予定である。
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