2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540226
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
谷口 健二 Aoyama Gakuin University, 理工学部, 准教授 (20306492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 和彦 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70146306)
伊藤 雅彦 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (30348461)
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Keywords | 可換微分作用素 / Calogero模型 / ジャクソン積分 |
Research Abstract |
研究代表者谷口は、階数2の有理関数ポテンシャルを持つ可換微分作用素対の特異直線の数が5以上の場合に、特異直線の配置と可換対の構成について考察を行った。その結果,結合定数がある特定の場合の特異直線配置を決定するには、BC型サザーランド模型のポテンシャル関数の停留点を求めることが必要であることがわかり、さらにペレロモフの結果を用いれば、その停留点は,ヤコビ多項式の零点として表示されることがわかった.しかし、階数2の有理関数ポテンシャルの場合については、ベレスト-ルーツェンコとチャリヒ-フェイギン-ヴェゼロフによる研究があり、今回考察した場合の特異直線配置については、彼らによってすでに知られていることがわかった。 谷口は、複素簡約型リー群のカジュダン-ルスティック多項式の算出に関する研究も行った。複素簡約型リー群Gcの実型Gをとり、Gの表現のカジュダン-ルスティック多項式から、コホモロジー誘導によってGcのそれを構成することを試みた。複素群の場合、実リー群のコホモロジー放物型誘導の場合に威力を発揮した、コホモロジー消滅定理が一般には成り立たないこともあって、組成列の決定は容易ではなく、もう一工夫が必要となっている。 研究分担者伊藤は、青本和彦教授の協力を得て,BCn型ジャクソン積分に付随するホロノミックq-差分方程式系に付随するロンスキー型行列式そのものがq-ガンマ関数の積の形に具体的に表示できることを示した。 また伊藤は、BC1型ジャクソン積分が満たすq-差分方程式系の一般解を基本解の線形結合で表示する公式(接続公式)を、BCn型の場合に拡張して、より一般的な接続公式を証明した。この公式の応用として、伊藤と青本が証明した上記ロンスキー型行列式がq-ガンマ関数の積の形に表示できることの別証明を与えた。
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