2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540226
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
谷口 健二 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (20306492)
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Keywords | 可換微分作用素 / Calogero模型 / Whittaker模型 / q-差分方程式 |
Research Abstract |
研究代表者谷口は,可換微分作用素系に関連した研究として,標準Whittaker(g,K)-加群の組成列について研究を行った.これは岩沢幕単部分群のユニタリ指標から誘導された表現空間を,自然な条件の下で細分化したもので,その組成列や組成因子の研究は表現論の問題として興味深い. 本年度の研究により,大きく分けて二つの結果が得られた. 第一の結果は,無限小指標がgenericなときの組成列についてである.一般の実簡約型リー群に対し,無限小指標がgenericなら標準Whittaker(g,K)-加群は完全可約であることを示した.これによってgenericなときには,加群の構造が完全に決定できた. 第二の結果は,無限小指標が整のとき,つまり主系列表現が可約な場合の標準Whittaker(g,K)-加群の構造に関する結果である.今回は不定値ユニタリ群U(n,1)の場合について研究を行い,その加群の組成列を完全に決定した.この結果によれば,標準Whittaker(g,K)-加群の組成列と主系列表現の組成列との間には類似点と相違点が共にあり,今後他の一般の群の場合へ研究を広げる際の礎ができたと考えている. 連携研究者伊藤はBC_n型q-超幾何関数が満たす三項間隣接関係式を導出することで,その超幾何関数が満たす連立一階q-差分方程式系の具体形を明らかにした.その応用として,Gustafsonによるq-超幾何積分の無限積表示に対して別証明を与えた.
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