2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540228
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
筧 三郎 Rikkyo University, 理学部, 教授 (60318798)
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Keywords | 可積分系 / ソリトン / KP階層 / ヤン・バクスター写像 / 相似簡約 / パンルヴェ方程式 / ガルニエ系 / 行列積分 |
Research Abstract |
本研究は,古典可積分系と量子可積分系との間に,「量子化」,「古典極限」という物理的視点を超えた数学的構造を見出すことを目的としている。本年度は,主な研究対象として以下の2つを中心に研究を進めた。 [1]古典ソリトン系からのヤン・バクスター写像の構成 [2]行列積分とパンルヴェ系,ガルニエ系 テーマ[1]の「ヤン・バクスター写像」とは,量子可積分系の研究から現れたヤン・バクスター方程式を,拡張された意味で満たすような写像である。これまでに,離散AKP方程式,離散BKP方程式の周期簡約からどのようなヤン・バクスター写像が得られるかを調べたが,昨年度の段階ではN周期BKP方程式から得られる双有理写像の明示式については,計算機によって求めた具体例に基づく予想にとどまっていた。本年度は,昨年度の予想に証明を与えることができ,論文の形で公表した(Ralph Willox氏(東大数理科学),Jonathan J.C. Nimmo氏(Glasgow大)との共同研究)。 テーマ[2]に関しては,我々が定式化したASDYM-AKNS階層の相似簡約としてII型~VI型のパンルヴェ方程式が得られることを,数理解析研究所講究録1662において報告した(論文は現在準備中である)。また,この結果を拡張するべく,パンルヴェ・ガルニエ系の研究グループ,確率モデルの研究グループと,それぞれ数回議論を行った。議論の結果から得られたアイデアについては,現在研究を進めているところである。
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Research Products
(7 results)