2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540230
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
村上 順 Waseda University, 理工学術院, 教授 (90157751)
|
Keywords | 結び目理論 / 3次元多様体 / 量子群 / 表現論 / 組紐群 |
Research Abstract |
本年度は,本研究の開始年度であり,結び目や3次元多様体の量子不変量についてこれまでに知られている成果をまず収集した.また,これらの不変量と幾何学的な性質との関係を探るため,11月に研究集会「2+1次元トポロジーの新しい流れ」を開催し,クラスパー理論と,これまであまり研究されていなかった3次元多様体のHennings不変量を中心とした講演を開催した.クラスパー理論は,本研究の代表者らによって構成されたLMO不変量を幾何的に再構成し,量子不変量の整数論的な性質を調べるために欠かせない理論である.クラスパー理論の創始者である葉広氏を講師に招き,3回にわたって,最新の成果を報告願った.また,Hennings不変量については,ホップ代数の専門家やホップ代数と結び目理論の関係についての専門家に話をお願いし,理解を深めた. また,スイスのFribougでの研究集会「Hyperbolic Volumes 2007」に参加し,colored Alexander不変量と双曲体積の関係について講演を行うとともに,双曲構造と量子不変量についての関係について双曲体積の専門家と議論した. 以上2つの研究会を通じて,colored Alexander不変量とHennings不変量との関連について研究を進めた結果,双曲体積とcolored Alexander不変量の関係について,表現論的な観点からはJacobson radicalが重要であることが徐々にわかってきたので,1月の東京大学の研究集会でその成果の一部を発表した. 来年度以降もこの方向で研究を進めて,量子不変量からみた幾何構造について表現論的立場からよりクリアーにしていきたい.
|