2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540230
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
村上 順 Waseda University, 理工学術院, 教授 (90157751)
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Keywords | 結び目理論 / 3次元多様体 / 量子群 / 表現論 / 組紐群 |
Research Abstract |
本年度は,logarithmic topological quantum field theory(LTQFT)に対応する結び目,絡み目の不変量について主に研究を行った。LTQFTは,small quantum groupとよばれる,qが1の冪根のときのUq(sl2)の商として定義される有限次元ホップ代数を用いて構成されている。TQFTがあれば自然に結び目の不変量が定義できるのであるが,これを実際にsmall quantum groupの中心を用いて構成し,logarithmic knot invariantと呼ぶこととした。さらに,以前から研究していたcolored Alexander不変量との関係も調べ,logarithmic knot invariantを実際に計算する方法を提示した。 また,Cho,Jinseokとの共同研究で,結び目の量子不変量と結び目補空間の体積との関係についても研究を進めた。Zickertによって提案された理想四面体分割からChern-Simons不変量を求める方法を応用し,量子不変量のある種の極限を用いて,補空間の体積ばかりでなく,Chern-Simons不変量も得られることをtwist knotとよばれる族に対して示すことができた。これは,結び目に関する「体積予想」の複素化についての基本的なevidenceを与える結果である。
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