2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540239
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邊 誠一郎 Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 准教授 (50230967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 浩 北海道大学, 低温科学研究所, 博士研究員 (40422761)
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Keywords | 原始惑星系円盤 / ダスト / 微惑星 / 太陽系形成論 / 吸収係数 / 計算機シミュレーション |
Research Abstract |
惑星の材料物質の分布を明らかにするために,受動的円盤段階でのダストダイナミクスを明らかにする基礎研究を進めた.まずは,中心星の光を表面に受けた原始惑星系円盤の熱的な安定性を調べた.その結果,質量降着率が10^<-7>太陽質量/年を下回ると円盤表面に熱的波動が形成され,内側へ伝搬することが明らかになった.その前面では内部領域の温度が上昇してリング状の高まりが形成され,背面では影領域となって温度が低下することがわかった.波動の伝搬時間は数十年で,その変化は円盤のスペクトルエネルギー分布の変化として観測可能であることを指摘した(Watanabe&Lin,2008).この波動には絶対渦度の極値が伴い,その領域で傾圧不安定が生ずることが予測される.このため,波動伝搬に伴う渦の形成とそれによるダスト集積過程の計算機シミュレーションを進めている. 一方,惑星集積過程におけるダスト円盤の形成に関しては,ダストの昇華を考慮した天体力学計算を進め,外側領域でダストが生成されると,ポインティング・ロバートソン効果によってダストは内側領域へと供給され,温度上昇によるダスト昇華によってダストリングが形成されることを明らかにした.ダストの濃集度は,中心星光度やダスト組成(光学特性)によって変化することが明らかになった(Kobayashi et al.2008).現在は,ダストの移動と濃集度の半解析的に定式化をした第二論文を投稿中である.さらにダストの生成過程を微惑星ダイナミクスから与える計算コードを開発し,これを用いて惑星集積時のダスト生成の様子を明らかにしている.
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