2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540239
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邊 誠一郎 Nagoya University, 環境学研究科, 教授 (50230967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 浩 北海道大学, 低温科学研究所, 博士研究員 (40422761)
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Keywords | 原始惑星系円盤 / ダスト / 微惑星 / 太陽系形成論 / 吸収係数 / 計算機シミュレーション |
Research Abstract |
惑星の材料物質の分布を明らかにするために,受動的円盤段階でのダストダイナミクスを明らかにする基礎研究を進めた.昨年度は,中心星の光を表面に受けた原始惑星系円盤の熱的波動の存在を明かにした(Watanabe & Lin,2008, Ap. J. 672, 1183).今年度は,その波動伝搬に伴う円盤のスペクトルエネルギー分布の変化を調べ,それが10年スケールの経年変化を見ることで観測可能であることを指摘した.また,こうした波動が高い分解能の遠赤外線の撮像観測によりリングとして見えることを予測した(The 2nd Subaru International Conference 2009.3.8-11にて発表).また,その不安定により生じる渦におけるダスト集積について考察した. 一方,惑星集積過程におけるダスト円盤の形成に関しては,ダストの昇華を考慮した天体力学計算を進め,外側領域でダストが生成されると,ポインティング・ロバートソン効果によってダストは内側領域へと供給され,温度上昇によるダスト昇華によってダストリングが形成されることを明らかにした.ダストの濃集度は,中心星光度やダスト組成(光学特性)によって変化することが明らかになった(Kobayashi et al. 2008).さらに,ダストの移動と濃集度を半解析的に定式化をした(Kobayashi et al. 2009).さらにダストの生成過程・破壊過程を微惑星ダイナミクスから与え,質量分布関数の変化を記述する計算コードを開発し,これを用いて惑星集積時のダスト生成の様子を解析している.
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