2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540240
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
定金 晃三 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 教授 (20110794)
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Keywords | わい小銀河 / 化学進化 / 高分散分光 / 化学組成 |
Research Abstract |
本研究課題の主題である、ろくぶんぎ座わい小銀河の赤色巨星6個のすばる望遠鏡による高分散スペクトルの詳細な解析を行った。観測候補天体は、ヨーロッパのグループが中分散分光観測から、鉄の組成が非常に小さい([Fe/H]<-25)と見積もった星の中から選んだ。 結果として、1)これら6個の星の金属量は、-3.1<[Fe/H]<-2.5の間にあること、2)Mg/Feなどのアルファ元素/鉄族元素の組成比については、1天体を除いて銀河系ハローの星に見られる典型的な値より有意に低いこと、そして、3)中性子捕獲元素Baの組成比Ba/Feについては銀河系ハローの星と同様に大きな分散を示すこと、などが明らかとなった。これらの結果から、わい小銀河の中では比較的小規模なろくぶんぎ座わい小銀河も、独自の進化を遂げることによって我々の銀河ハローの星とは異なる金属組成の特徴を持つようになったと解釈できる。この結果の論文は審査を通り、現在印刷中である。 以上のほか、大阪教育大学で行ってきたブレーザー天体OJ287の2007年秋の測光観測から、この天体が超巨大ブラックホールの連星系であることが立証され、論文がNature誌に掲載されたことも重要な成果であった。
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Research Products
(4 results)