2008 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙線11年周期変動パターンによる4万年前の大強度変動時宇宙線スペクトルの探索
Project/Area Number |
19540258
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
櫻井 敬久 Yamagata University, 理学部, 教授 (60150265)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 浩之 東京大学, 工学系研究科, 准教授 (60313194)
|
Keywords | 宇宙線 / 放射性炭素 / 単年輪 / 4万年前 / 太陽活動 |
Research Abstract |
4万年前の放射性炭素濃度は現在に比べて80%も高かったことが分かってきた。しかし、この原因が地磁気環境の変化であるか太陽活動の変化であるかは未知である。4万年前の太陽活動をしらべるために約4万年前の樹木年輪試料を用いて1年輪毎の^14C濃度を測定して太陽11年周期変動に相当する^14C濃度変動プロファイルを求めることを目的として基礎実験を行った。 その結果、1) 数半減期を越える古木単年輪の年輪系列AMS測定により周期成分を抽出するとき、必要となる測定回数を推定するための計数の統計を考慮したモンテカルロシミュレーション法を開発した。2) 約2万2千年前の単年輪系列測定から、33単年輪列の^14C年代測定変動幅が約2%程度であることが分かった。3) 約4万年前の樹木年輪の系列測定は、^14C年代で46305年の49820年であり、7%程度の3500年の変動幅を示した。この変動幅は、約2万2千年前の単年輪系列測定と比較すると計数の統計から推定した幅より大きい。4) 比較のため行った極低バックグランド液体シンチレーションカウンターによる測定は45843±393^14Cyrを示しておりAMS測定の若い測定値に近かった。 5) AMS測定のバックグランド値は、^<14>C年代で50812から55681年と約5000年の変動幅があり、これらのことから^14C年代測定の限界付近での単年輪測定において、試料作成などバックグランド源の評価が重要な課題であることが分かった。
|