2008 Fiscal Year Annual Research Report
原子核低エネルギー現象の統一的理解のための基盤形成
Project/Area Number |
19540262
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中田 仁 Chiba University, 大学院・理学研究科, 准教授 (80221448)
|
Keywords | 半現実的核子間有効相互作用 / 核子・原子核散乱 / リアレンジメント / 平均場近似 / 乱雑位相近似 / M1励起 / 軸対称変形核 / 核準位密度 |
Research Abstract |
原子核の低エネルギー現象(核構造及び核反応)の統一的記述を目指し,以下の研究と準備を行った。 1.核子・原子核散乱におけるリアレンジメント・ポテンシャルの影響の定量的評価核子・原子核散乱の光学ポテンシャルを核子間相互作用から微視的に求める際に従来無視されてきたリアレンジメント・ポテンシャルについて,Ca40,Zr90,Pb208原子核を例として,その影響の定量的評価を試みた。 2.汎用的・実用的有効相互作用の球対称原子核への応用現実的な核子間相互作用を現象論的立場から一部修正することにより得られた半現実的有効相互作用を,平均場近似により様々な球対称原子核に応用し,1粒子状態の変化やそこでのtensor力の役割について調べた。 3.軸対称変形核に対する自己無撞着平均場計算のMg核への応用ガウス関数展開法を用いた,軸対称変形核に対する自己無撞着平均場計算のための新しいアルゴリズムを応用して,特に中性子drip line近傍核に重点を置いてMg同位体の構造を調べた。 4.汎用的・実用的有効相互作用を用いたPb208のM1励起の研究乱雑位相近似の下で,汎用的・実用的有効相互作用を用いてPb208のM1励起について調べ,最近の精密実験との比較によりtensor力の役割を指摘した。 5.多体相関をfullに取り入れた核準位密度の計算殻模型モンテカルロ法による核準位密度の計算を希土類領域の変形核に拡張し,微視的立場から再現することに成功した。また射影法を用いてアイソスピン依存性を補正できることを示した。
|