2007 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロニウムを用いたレプトンCP対称性の破れの探索
Project/Area Number |
19540271
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 富雄 The University of Tokyo, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (50126059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 祥仁 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (60282505)
難波 俊雄 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教 (40376702)
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Keywords | 素粒子実験 / CP対称性 / ポジトロニウム |
Research Abstract |
本年度はCP非対称性測定装置の設計、製作を行った。装置の主要部分の製作進展状況は以下の通りである。 1オルソポジトロニウム生成装置:Na-22陽電子源からの陽電子をシリカエアロゲル中で減速してポジトロニウムを生成する装置を製作した。この装置では、ポジトロニウム生成のタイミングを測定する必要があるため、陽電子源とシリカエアロゲルの間にプラスチックシンチレータを挿入してタグ用の光源とする。PMTと組み合わせて、タグの信号がきちんと出力されることも確認した。 2オルソポジトロニウムのスピンを揃えるための磁石を購入した。最終的には0.35Tの磁場を印可する予定であるが、今年度は0.22Tの磁場を生成するリターンヨークを予備的に製作し、計算機での計算結果と無矛盾な磁場分布が確認された。 3崩壞時のガンマ線を検出するためのLYSOシンチレータのエネルギー分解能、時間分解能を評価した。 CP非対称測定の際の系統誤差を無くすための回転テーブルの製作を行った。また、CAMACバス経由で回転を制御し、位置をモニタするためのモジュールを製作し、期待通りの動作が確認された。 以上の装置のうち、回転テーブルを除いた装置と、プロトタイプ磁石を用いて試験的にCP非対称性測定を行った。全装置が予定したとおりの性能を示した。ただし、目標としている10^<-3>の感度のためには、当初の予定通り回転台を用いた系統誤差の削減が必須である事も判明した。
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Research Products
(6 results)