2008 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロニウムを用いたレプトンCP対称性の破れの探索
Project/Area Number |
19540271
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 富雄 The University of Tokyo, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (50126059)
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Keywords | 素粒子実験 / CP対称性 / ポジトロニウム |
Research Abstract |
昨年度製作したプロトタイプでの実績をもとにして、CP非対称度測定装置を製作した。プロトタイプを発展させる事により、実際に製作された測定装置は、以下の点で当初の計画を上回る性能を示す事ができた。 ・リターンヨークの磁場の綿密な計算により、ポジトロニウムのスピン弁別用磁石は、中心磁場4.9kGまでかけることができた。 ・系統誤差削減のための回転テーブルは、角度精度0.2゜で任意の位置に位置決めを行うことができた。また、この他のポジトロニウム生成装置、ガンマ線検出器に関しても、当初の計画通りの性能を示す装置が製作できた。 この測定装置を用いて、CP非対称度を測定した。測定装置は全体としても想定通りの性能を示した。約3ヶ月間の測定により、レプトンセクターでのCP対称性の破れは発見できなかったが、CP非対称度に対して、4×10-3の上限値をつける事ができた。この値は、既存の制限(約2%)を上回り、レプトンセクターにおいて、これまでに行われた実験の中で、世界で最も厳しい制限となっている。なお、現在もまだ測定は継続して行っており、まだデータ解析はすべて終了していないが、倍程度の感度でCP非対称度の測定が行えると考えている。その後、学術論文として投稿する予定である。
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Research Products
(3 results)