2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540272
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 光裕 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80185876)
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Keywords | 弦の場の理論 / ゲージ固定 / 弦理論 / BRST量子化 / 素粒子論 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、大阪府立大の浅野雅子氏と共同で、弦の場の理論のゲージ固定の問題に取り組み、弦場に関して線形の形を持つ最も一般の場合(一般線形ゲージ)について解析し、摂動の任意オーダーで散乱振幅についてのゲージ不変性を示した。これは、筆者らが以前に開発したa-gaugeやZwiebachらが解析した線形b-gaugeのほか、Siegel gauge、Schnabl gaugeなどの知られているすべてのゲージをその特殊なケースとして含む、弦の場の理論で現在知られている最も広いクラスの共変ゲージである。 また、超対称格子ゲージ理論の定式化に向けて、愛媛大の宗氏、神戸大の坂本氏とともに、格子上のライプニッツ則の一般的性質に関する解析も前年度に引き続き行った。今年度は特に、格子群(結晶群)の表現との関係を詳しく調べ、複素表示したときの正則性と場の理論の意味での局所性とが対応し、SLAC型の非局所差分が正則性を対数的に破ることでライップニッツ則を満たすこと、また逆に正則性を保ったままライプニッツ則を満たすことは有限のフレーバーの下ではできないことを明らかにした。さらに、これを回避するために、無限のフレーバーを導入し、自然に行列変数による場の理論に導かれることを示した。これを用いると、超対称性を持つ模型を構成できることも具体的に示した。これをゲージ系へ拡張することが次の喫緊の課題である。
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Research Products
(2 results)