2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540275
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡 真 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (60144606)
|
Keywords | ハドロン / クォーク / 量子色力学 / 格子ゲージ理論 / ペンタクォーク / ハイペロン / QCD和則 / カイラル対称性 |
Research Abstract |
平成20年度は具体的な研究のテーマとして、 (1) スピン3/2を持つペンタクォークのQCD和則による量子数と質量の解析 (2) Λ(1405)の2極構造の格子QCDによる解析 (3) 重いクォークを含む4クォーク系のアイソスピンの破れの機構の解明 において成果が上がった。 (1)では、スピン3/2のペンタクォークのQCD和則を構築し、信頼度を高めるために高次数の演算子まで積展開を行った上、2つの相関関数の差をとる方式で連続状態との結合を抑制して、極の効果を十分い取り出す工夫を行った。その結果、アイソスピン0および1でスピン3/2、パリティ+のペンタクォークが1.5GeV付近の質量で存在する可能性が高いことを示した。(2)では格子QCD(full QCD)により2種の演算子を用いて負パリティのΛバリオン状態を解析し、SU(3)1重項と8重項成分のSU(3)の破れによる混合および、固有状態の質量のクォーク質量依存性を解明した。(3)では重いクォークを含む系でのアイソスピンの破れの可能性と機構を、インスタントン効果などフレーヴァー混合寄与を取り入れたクォーク模型によって解析した。その結果、グルーオン交換効果とインスタントン効果とがつり合うことでフレーヴァー混合が抑圧される場合に、アイソスピンの破れが強くなる場合があることを指摘したが、同時に2メソンの閾値がアイソスピンを破るために起こるアイソスピン混合の可能性を指摘し、その定量的評価を行った。
|
Research Products
(14 results)