2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540280
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小松 雅宏 Nagoya University, 大学院・国際言語文化研究科, 助教 (80345842)
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Keywords | NuMI / ニュートリノ / 反応断面積 |
Research Abstract |
本研究はアメリカ合衆国フェルミ国立加速器研究所が有する高強度のニュートリノビームライン通称NuMIに我々の有するニュートリノ反応検出器である原子核乾板を用いたECCと呼ばれる反応標的を用いて執り行うものである。ニュートリノ反応は極めて希にしか起こらない反応であり、非常に多くの質量を持った検出器を用意する必要がある。その中で犠牲にされるのが検出器の空間分解能であるが、原子核乾板のもつ空間分解能は検出器の大きさに左右されるものではなく、ニュートリノ反応研究においても高精細なニュートリノ反応の描像を捉える事が可能である。この原子核乾板の特性を生かし、低エネルギーニュートリノ反応(数GeV)のニュートリノ反応における多重度分布、その多重度分布から深弾性散乱(DIS)、準弾性散乱(QE)、レゾナンス(RES)といった反応様式の反応断面積費を算出する事を目的としている。 2008年9月にはターゲットの回収を行なうと共に並行して過去の照射サンプルの解析を行なっており、多重度分布から上記のDIS, QE, RESの反応断面積比を算出した論文を出版準備中である。Preliminaryな結果としてQE/CC=0.20+0.06-0.07(stat)+-0.02(syst),DIS/CC=0.68+0.09-0.11(stat)+-0.02(syst),RES/CC=0.12+-0.04(stat)+-0.02(syst)という結果を得ている。最終的な検証を行ない論文を発表する予定である。
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