2010 Fiscal Year Annual Research Report
ブラックホール磁気圏における高エネルギ輻射発生機構
Project/Area Number |
19540282
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
高橋 真聡 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30242895)
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Keywords | ブラックホール / 磁気圏 / 磁気流体力学 / 活動銀河中心核 / 高エネルギー輻射 / 一般相対論 / ガンマ線バースト / 衝撃波 |
Research Abstract |
強重力の極限的環境を生み出す「ブラックホール」について、本当に存在するのか、またどのような天体現象を発現しうるのかについて理論的に研究した。観測的には、コンパクトX線天体や銀河中心核において、その候補としてのブラックホールの存在が指摘されてはいる。とはいえ、それらはいまだブラックホールの"時空構造の解明"に迫るものではない。強重力下の時空構造の解明は、一般相対論の検証とも関連し、天文学と物理学の両面において重要なテーマである。 上記目的のため、本研究では、ブラックホールの周りでの高エネルギー輻射生成機構として、ブラックホールへの磁気流体降着流中に生じる衝撃波について調べ、その形成条件等について明らかにした(論文執筆中)。さらにモンタナ州立大学の共同研究者らと協力して、衝撃波からの輻射機構・時間変動についての理論研究を進めた。また、活動銀河核のX線データ解析と理論モデルを踏まえた統一的描像の構築について、新規プロジェクトを検討し始めた。 近年の天体X線観測衛星や電波望遠鏡の進歩にはめざましいものがあり、実際、ブラックホールの存在証拠を"直接的観測"できる段階に近づきつつある。また国際的関心も高まっている。この現状を踏まえ、理論研究者と観測研究者の共同研究の体制を整えているところである。例えば、「第4回ブラックホール磁気圏勉強会」研究会、国立天文台研究集会「銀河中心SgrA^*の観測的ブラックホール時空研究」を主催した。前者は、理論研究に重みをおいたものであり、後者は観測と理論を融合することを目的にテーマ設定した。様々な波長域における天体観測分野の研究者による招待講演を盛りだくさんにすることで、斬新な研究会になったと好評であった。
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Research Products
(12 results)