2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540283
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 卓史 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (80155837)
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Keywords | ガンマ線バースト / 距離指標 / 観測的宇宙論 / ダークエネルギー |
Research Abstract |
ガンマ線バースト(GRB)には光度(L)とスペクトルピークエネルギー(Ep)に関係(世界的に米徳関係式と呼ばれている)があることが共同研究者である金沢大学の米徳助教と中村らが2003年に発見した。これとは独立にLと二つのエネルギーバンドにやってくる光子の到着時間の差(lag)に関係があることもすでに見つかっている。中村は院生の筒井らと共にこの2つの関係式から推定された赤方偏移を比較してやったところ、この二つの推定された赤方偏移にまったく相関がないという驚くべき事実を発見した。この矛盾はlag-L関係式に赤方偏移依存性を入れることで解決できるということまで見出し、この依存性がlagを定義しているエネルギー帯が観測者系とGRB系においてことなることに起因していると提唱した。このような経験則は、HRダイアグラムが星の進化モデルを作る上で重要な役割を担ったように、GRBのモデルを検証するのに必要不可欠であるので本研究はGRBの起源の研究において非常に有意義であったと言える。また、金沢大学の院生である児玉ら共にIa型超新星の観測から得られた宇宙論によらないz<1.755までの赤方偏移-光度距離関係を使って較正された米徳関係式を用いて、z=5.6までの宇宙で宇宙論によらずに光度距離を定めた。これによってz=5.6までの宇宙で宇宙論パラメータの制限を行い現在論文を投稿中である。今後は筒井らによって提唱されたz-lag-L関係式なども同時に用いることでさらに宇宙論パラメータに厳しい制限を付けることでダークエネルギーの正体の解明にGRBを用いることができるであろう。
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Research Products
(4 results)