2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540284
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
國友 浩 Kyoto University, 基礎物理学研究所, 准教授 (20202046)
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Keywords | 超弦理論 / 超対称性 / 商超空間 |
Research Abstract |
相坂・風間により定式化されたDS形式の超弦理論は、超対称性が明白な量子化法としてBerkovitsによって構成されたPS形式と等価であり、PS形式が自由場を用いた一連の量子化則として定義されているのに対して、局所座標変換不変なラグランジアンに基づく定式化であるという利点を持つ。しかしながら、DS形式はこれまで、平坦時空でしか定式化されておらず、一般の曲がった時空上へどのように拡張すれば良いかは、必ずしも明らかではなかった。今年度は、DS形式を、AdS5×S5を含む商(超)空間の場合に拡張した。その結果として、フェルミオン座標のみならずボソン座標も含めて、全超空間の座標を2倍に増やした定式化が必要であることを明らかにした。この定式化は、DS形式の幾何学的な解釈に際して本質的であると思われ、商超空間を越える、より一般的な時空への拡張を考える際、非常に重要であると考えられる。また更には、この拡張されたDS形式とPS形式との等価性に関して解析したが、一般的に証明するには至らなかった。これは、一般に商(超)空間上の超弦理論を量子化するのは困難であり、これまでのように具体的な量子化を通じた証明ができないことに起因する。この点を克服するには、量子化に便利である(半)光円錐ゲージとは異なる、より一般の共変ゲージを用いてPS形式の非ミニマルな定式化との等価性を証明することが必要であると考えられる。
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Research Products
(4 results)