2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540284
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
國友 浩 Kyoto University, 基礎物理学研究所, 准教授 (20202046)
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Keywords | 超弦理論 / 超対称性 / 超重力理論 / キリングスピノル / G構造 / 捩率類 |
Research Abstract |
明白に超対称な超弦の定式化が可能であるためには、時空は超対称性、即ちキリングスピノルが存在するようなものでなくてはならない。従って、どのような時空にキリングスピノルが存在するかを調べることは、本研究課題を遂行する上でも重要な問題となってくる。これを明らかにするには、超弦理論の低エネルギー有効理論である10次元の超重力理論の古典解を調べ必要があるが、この問題は現象論の観点からも純理論的な観点からも非常に重要な研究課題の一つで、特にAdS/CFT対応の発見以来、AdS時空を含む古典解が精力的に研究されている。 一方5種類の超弦理論の内、ヘテロ型超弦理論には、AdS/CFT対応において非常に重要な役割を果たす、D-Braneが存在しないため、そのAdS/CFT対応についてはこれまであまり研究されていなかった。しかし最近の研究では、高階微分補正項を導入することにより、ヘテロ型超重力理論における基本弦に対応する解がAdS時空を生成するらしいことが分かってきており、このAdS時空と基本弦上のゲージ理論との対応が調べられはじめている。 このような背景のもと、今年度は10次元ヘテロ型超重力理論の超対称AdS3古典解をtorsion classを用いて分類した。特に、時空が(ワープ因子)・AdS(3)XM(7)のような構造を持つ場合に、M(7)の持つべき性質について、主にキリングスピノル方程式を用いて議論した。その結果、超対称性の個数がN=1,2,3の場合に、M(7)が各々G2,SU(3),SU(2)構造を持っ事を示し、その捩率類を分類した。
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