2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540288
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福間 将文 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 准教授 (10252529)
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Keywords | 超弦理論 / 非臨界弦 / deconstruction / Yang-Mills理論 / ゲージ理論 / ホログラフィー原理 / AdS / CFT対応 / 粘弾性体 |
Research Abstract |
■葉層構造保存変形の対称性に基づく粘弾性の普遍的記述 弾性固体と粘性流体を二つの極限として包含する概念が「粘弾性体」である。従来の粘弾性体の記述法は、分子の配位のみに関するものが中心だったが、これだと記述がどうしても各論的で複雑になる。今回の研究では、塑性変形を記述する力学変数を新たに導入することで、有効理論が極めて単純な形で書き下せることを示した。具体的には、分子の配位と塑性変形をそれぞれ記述する2種類の力学変数を導入し、粘弾性体の運動を世界体積上の場の理論として取り扱った。その際、理論に「葉層構造保存変形(foliation preserving diffeomorphism)」の対称性が自然に導入されることを示し、さらに、この対称性が、弾性体と粘性流体の二つの極限を自然につなぐと同時に、有効理論が取りうる形をほぼ一意的に決めてしまうことを示した。現在、相対論的な場合への拡張や宇宙論への応用などを進めている。時空を粘弾性体の一種と捉えることにより、時空のホログラフィー的性質が解明されることを期待している。 ■large N Yang-Mills理論への解析的アプローチ 非臨界弦をゲージ理論を用いて定式化することを目標に、今年度も、4次元Yang-Mills理論を解析的に調べる方法を進展させた。具体的には、以前我々が発見した3次元Yang-Mills理論におけるゲージ不変な変数の「過不足ない」完全系を用いて、4次元理論をdeconstructionの方法とcorner変数を用いる方法の二通りで解析する方法を提案した。ともに、並行して進めている格子ゲージ理論の数値計算の結果とよく一致している。
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Research Products
(5 results)