2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540292
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
板橋 隆久 Osaka University, 大学院・理学研究科, 招へい研究員 (20112071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 朗 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40362610)
久野 良孝 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30170020)
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Keywords | ミューオン / 位相空間回転 / 高輝度ビーム / アルファー粒子 / FFAG / キッカー / 縦方向入射 / パルサー |
Research Abstract |
強度フロンチィアーの素粒子物理学、原子核物理学において、ミューオン及び原子核などの短寿命の粒子ビームの生成が求められている。これらのビームの生成は大型の粒子加速器が必要であり、高い品質、すなわち高輝度の粒子ビームの生成はこれらの学問領域において、稀有の現象を探求する上で不可欠の条件となっている。ミューオンを用いたレプトンフレーバー非保存の実証実験では、位相空間回転法によるエネルギー幅圧縮法の確立が研究課題のひとつである。本研究では6セクターのFFAGリングを用いて、短寿命二次粒子のエネルギー幅圧縮法の開発研究を行った。ミューオンの生成は高いエネルギーの加速器で生成された陽子ビームによって行われるが、本研究では実験で用いられるミューオンの運動量の等価な粒子剛性を有するアルファー粒子を用いて行った。 (1)可変エネルギー粒子発生装置の製作実験で用いられるミューオンの全運動量領域、54.4~86.1MeV/cに対応しかつエミッタンスの調節可能なアルファー粒子発生装置の設計、製作を行った。 (2)加速高周波の位相にたいする入射粒子の位相、エネルギー幅との相関を測定するために、パルス粒子発生装置の設計、製作を行った。 (3)高周波加速キャビィティ加速駆動の内部に設置した半導体検出器によるアルファ粒子エネルギーの加速、減速の効果を測定した。 (4)6セクターの加速装置に縦方向から入射するため、平行平板型静電キッカーを製作し入射テストを行う。FFAGリングに適応するように、ギャップ高さを20cm、水平幅を20cmとして、大きなアパーチャーを確保した。平行平板型静電キッカーを用いて、縦方向よりアルファー粒子をFFAGの水平中心軌道に、入射することに成功した。 (6)入射角度8.5°のとき計算では19KVの電圧が必要であり、実験値は凡そ14KVから17kVの入射電圧が適当であることが判明した。 (7)FFAGを一周するアルファー粒子のエネルギー変化を測定して加減速の状況を観測した。位相空間回転の兆候の観測に成功した。
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Research Products
(4 results)