2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540306
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
ベンツ ヴォルフガング Tokai University, 理学部, 教授 (20168769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢崎 紘一 東京女子大学, 文理学部, 教授 (60012382)
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Keywords | ハドロン物理学 / パートン分布 / 構造関数 / transversity / 媒質効果 / 破砕関数 / 深非弾性散乱 / 有効クォーク模型 |
Research Abstract |
平成19年度の研究実績は次の通りである: 1)核子の横偏極パートン分布関数の計算:有効クォーク模型の枠組みを使って、核子中のクォーク横偏極運動量分布関数を求めた。計算結果が通常の縦偏極分布に近い値となった。その結果と電子・核子散乱における半包含的過程から得られた経験的な分布関数との関係について解析した。この部分は Jefferson国立研究所と共同で行わ、成果が Physics Letters B で掲載された。 2)EMC 効果のアイソスピン依存性:電子・原子核の深非弾性散乱における構造関数は原子核の中性子過剰(N-Z)にどれだけ依存するのかについて研究した。アイソベクトル平均場の影響で、原子核中の u クォークがより強い引力を感じ、uクォーク分布関数に対する媒質効果が大きなくなることを示した。従って、中性子過剰な原子核における EMC 効果が大きくなることが分かった。その部分も Jefferson 国立研究所と共同で行われ、論文を Physics Letters B へ投稿する予定である。 3)核子およびパイ中間子生成におけるクォークの破砕関数:電子・陽電子散乱および電子・核子非弾性散乱における半包含的過程におけるクォークの破砕関数を求めた。通常の分布関数と破砕関数との関係を一般に証明し、有効クォーク模型の枠組みを使って破砕関数を計算した。計算結果と実験の解析から得られた経験的な破砕関数との比較およびそれらの関連について解析した。その部分は東海大学の大学院生との協力で行われ、論文をNuclear Physics Aへ投稿する予定である。
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Research Products
(4 results)