2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540306
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
ベンツ ウォルフガング Tokai University, 理学部, 教授 (20168769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢崎 紘一 独立行政法人理化学研究所, 延與放射線研究室, 客員主管研究員 (60012382)
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Keywords | ハドロン物理学 / パートン分布 / 構造関数 / 破砕関数 / 媒質効果 / ニュートリノ散乱 / パリティー保存の破れ / 有効クォーク模型 |
Research Abstract |
平成21年度の研究実績は次の通りである: 1)原子核のパートン分布関数のフレーバー依存性:本年度の研究で原子核・ニュートリノ深非弾性散乱および原子核・電子深非弾性散乱におけるパリティー保存の破れを取り上げ、媒質効果が観測量にどれだけの影響を与えるのかについて定量的に評価した。数年前に話題となったニュートリノ散乱におけるNuTeV実験データの再解析を行い、媒質効果によるパートン分布のフレーバ依存性を取り入れることにより実験データを説明できることを指摘した。電磁気相互作用と弱い相互採用の干渉項から生じる電子散乱におけるsingle spin asymmetryを鉄および鉛ターゲットの場合は定量的に予言した。 2)クォークの破砕関数:本年度の研究でクォーク・ジェット模型の考え方に基づき、クォークの多重破砕過程を取り入れ、クォークがパイ中間子へ破砕するプロセスについて研究した。素過程の破砕関数として南部・Jona-Lasinio模型の結果を使い、多重破砕過程を記述するためにジェット模型に従って素過程の繰り返しを表している積分方程式の解を求あた。Q^2発展方程式の解も求め、計算結果を最近のデータ解析から得られた経験的な破砕関数と比較した。このように作り上げた「NJL-jetモデル」はクォーク破砕関数に対する運動量およびアイソスピン和側を満たし、有力な枠組みであることを示した。
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Research Products
(4 results)