2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁場を伴った中性子星の平衡状態及びその振動と安定性
Project/Area Number |
19540309
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 至順 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (30386635)
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Keywords | 中性子星 / 回転 / 磁場 / 恒星振動 |
Research Abstract |
本年度は主に磁場を伴った中性子星の平衡形状モデルの研究を行った。現在、磁場を伴った星の平衡形状モデルを得るための完全な手法は確立していない。そこで、今年度は特に中性子星モデルを考える上で重要となる一般相対論の効果に関連した次の研究を行った。 (1) 現実的な状態方程式を用いたトロイダル磁場をだけを持つ相対論的な中性子星モデルの計算及びその性質の研究 : 昨年度に開発した数値コードを現実的な状態方程式に適応して、得られた中性子星モデルの性質を詳しく解析した。得られた結果から、ポリトロープ状態方程式を用いた場合には非常に顕著だった星の偏長が、現実的な状態方程式ではそれほど強く偏長に変形しないことが分かった。これは磁場による星の変形の状態方程式依存性が高いことを示していて、定量的な議論ではポリトロープの使用は好ましくない事を示している。 (2) トロイダル磁場とポロイダル磁場を伴った相対論的な磁場星の平衡形状の研究 : トロイダル磁場の強さとポロイダル磁場の強さのに変数を微小変数とした摂動論を用いて、トロイダル磁場が支配的だが、ポロイダル磁場も伴った相対論的な磁場星の平衡形状を求めるための定式化を行った。得られた支配方程式を解くための数値コードの開発も行い、現在、モデルの計算及び結果のまとめを行っている。 成果がまとまり次第Physical Review誌の投稿予定である。
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