2008 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー回収リニアック(ERL)を用いた次世代放射光源のビーム力学の研究
Project/Area Number |
19540318
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
坂中 章悟 High Energy Accelerator Research Organization, 物質構造科学研究所, 准教授 (20178560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 幸則 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (40225553)
宮島 司 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (50391769)
梅森 健成 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (60353364)
原田 健太郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (70353365)
島田 美帆 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 博士研究員 (10442526)
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Keywords | 次世代放射光源 / エネルギー回収リニアック / ERL / コヒーレント放射 |
Research Abstract |
エネルギー回収リニアック(ERL)を用いた次世代放射光源を実現するためには、高輝度電子銃で発生する超低エミッタンスの電子ビームの品質を損なわずにビームを加速し、放射光を利用する周回部に導くことが極めて重要である。本研究チームでは、そのためのビーム力学上の課題について、平成19年度に行った研究を発展させた。 平成20年度の研究成果として特に次の項目が挙げられる:(1)試験加速器「コンパクトERL」においてビーム周回時のエミッタンスを特に重視した運転モードとバンチ長を100フェムト秒程度まで圧縮する場合に分けてそれぞれビーム光学系の最適設計を行い、その際に重要となるビーム物理過程を明らかにしたこと。(2)横方向の抵抗壁ウェーク関数として通常用いられている式は長時間後には良い近似ではない事を明らかにし、より正確な解析的な式を求めた。これを元に、長い時間後の抵抗壁ウェークに由来するビーム不安定性(RW-BBU)の予測を行ったこと。(3)遺伝的アルゴリズムを用いたERL入射器の最適化設計を行い、極小エミッタンスのビームを生成できる条件を求めた。さらに、RF振幅や位相、空洞位置等に誤差があった場合の許容度を求め、ERL入射器を建設する上で重要となる事柄を明らかにしたこと。 これらの成果により、ERL放射光源を建設するために有用なビーム力学上の豊富な知見が得られた。
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Research Products
(8 results)