2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540324
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Research Institution | Okayama Institute for Quantum Physics |
Principal Investigator |
阪口 真 Okayama Institute for Quantum Physics, その他部局等, 研究員 (90382027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 正夫 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (40198536)
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Keywords | 素粒子論 / 超対称性 / 自発的対称性の破れ |
Research Abstract |
自然の現実的な記述では、対称性は自発的に破れると期待される。本年度新たにN=2超対称性が自発的にN=1に破れるN=2 A型quiverゲージ模型を構成した。この模型は、N=2 U(N) vector超場と双基本表現のN=2 hyper超場で構成され、磁気的・電気的Fayet-Iliopoulos(FI)項を含むN=2超対称Yang-Mills(YM)理論の有効作用とみなすことが出来る。磁気的FI項はvector超場に含まれる補助場を定数だけずらす項として特長付けられる。この模型の真空構造を調べ、Coulomb相ではN=2超対称性が自発的にN=1に破れること、自発的超対称性の破れに伴う南部-Goldstoneフェルミオンがゲージ対称性のoverall U(1)部分から現われること、Coulomb相ではカイラルフェルミオンが現われないこと等が分かった。さらに、orbifold特異点上にあるD3ブレーン上のN=2ゲージ理論からconifold特異点上にあるD3ブレーン上のN=1ゲージ理論への質量摂動によるflow[Klebanov-Witten]が、この模型では動的に記述できることが分かった。この研究によりN=1ゲージ理論の様々な双対性がゲージ模型を使って自然に理解できる可能性が示された。 またゲージ理論に超弦理論から迫る研究として以下を行った。Wilson loop(WL)を含むYM理論は、世界面がAdS2である非相対論的(NR)超弦理論で記述される。特にWLに挿入される演算子とNR超弦の揺らぎとの関係を明らかにした。また対称表現のWLに対応するNR D3ブレーンの揺らぎを調べ、NR超弦の揺らぎのスペクトラムがKKモードとして含まれることが分かった。これによりD3ブレーンの境界条件とWLの表現の違いとの関係を明らかに出来ると期待している。
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