2007 Fiscal Year Annual Research Report
準包接水和物結晶核生成のメモリー効果発現機構の解明
Project/Area Number |
19540334
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
島田 亙 University of Toyama, 理工学研究部(理学), 准教授 (70401792)
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Keywords | Clathrate Hydrate / 核生成 / メモリー効果 |
Research Abstract |
実験装置の設計・製作を行い、準包接水和物結晶の核生成方法の検討を行った。水溶液濃度を固定してメモリー効果の有効温度測定を行った。 高精度の温度安定性を得るため、0.01℃で温度制御が可能な低温恒温槽を購入した。結晶は市販の分光光度計用セル内で核生成させ、観察には実体顕微鏡とハイビジョンビデオカメラを組み合わせた。また、解析にはハイビジョンレコーダーとコンピュータを組み合わせることとした。このシステムにより、従来よりも高解像度の動画を記録・解析することが可能となった。 今年度は、20wt%のTBAB水溶液を用いた。平衡温度は約9℃である。最初の核生成発生の温度は-5℃付近であり、約14Kの過冷却を必要とした。温度を上昇させると生成したTBAB-hydrateは約9℃で解離するが、水溶液の温度を14℃以下で保持すると、再び温度を下げたときに1-8Kの過冷却でTBAB-hydrateの核生成が観察された。一方、水溶液の温度を15℃以上で保持した場合、再び温度を下げてもすぐにはTBAB-hydrateは核生成せず、初期と同じ-5℃付近までの過冷却を必要とした。従って、20wt%でのメモリー有効温度は14℃であると判断した。 また、これまで実験を行ってきているXe-hydrateとの相違点・類似点についても検討を行った。これらの研究成果は、学会発表で公表した。
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Research Products
(2 results)