2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機単結晶型微小共振器における異方性キャビティポラリトン
Project/Area Number |
19540342
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
近藤 久雄 Ehime University, 理工学研究科, 講師 (70274305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗巣 普揮 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (00253170)
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Keywords | 微小共振器 / キャビティポラリトン / 有機単結晶 |
Research Abstract |
チタン製ICPスパッタリング装置を用いて作製したHfO_2/Si0_2によるDBR(誘電体多層膜)2枚を互いに向かい合わせて密着させ、0.1μm程度の隙間を有するファブリ・ペロー型の共振器構造を形成させた。これを真空中で加熱融解させたアントラセン融液に浸して、融液をDBRの隙間に浸透させ、冷却固化させることで、アントラセン薄膜結晶を有した有機微小共振器を作製した。作製された微小共振器は透過スペクトル上に明瞭なキャビティポラリトンモードを示すとともに、各モードは明瞭な偏光依存性をもち、直線偏光によって完全に2つに分離できることを確認した。これは、アントラセン結晶の屈折率異方性に起因したもので、共振器内部でアントラセンが単結晶化していることを意味している。本年度は、この様な試料に対して以下の条件で偏光透過スペクトル測定を行った。 垂直入射条件で入射光の共振器面内の照射位置を変えて測定した偏光透過スペクトルによって、照射位置ごとのキャビティポラリトンの変化を求めた。さらに転送行列法で数値計算したスペクトルを実測スペクトルと比較することで、各々の位置でのDBR間隔dを求め、dに対するキャビティポラリトンの変化、即ち共振器長に対する分散関係を得ることに成功した。さらに、試料面に対する入射角θを変えながら偏光透過スペクトルを測定し、キャビティポラリトンモードのθ依存性を得た。この結果から、斜入射の場合でもキャビティポラリトンが偏光方向によって2つに分離できることを確認するとともに、キャビティポラリトンの角度分散関係を得ることに成功した。 次年度以降、様々な結晶軸の方向での角度分散を測定し、強い異方性をもつキャビティポラリトンの分散曲線と結晶軸方向との相関について明らかにしていく予定である。
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