2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540350
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
岩野 薫 High Energy Accelerator Research Organization, 物質構造科学研究所, 助教 (10211765)
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Keywords | 光誘起相転移 / 強相関電子系 / スペクトル異常 / 超高速現象 |
Research Abstract |
研究実施計画の予定通り、非弾性X線散乱や角度分解光電子分光に対応する計算を交代ポテンシャルを有する1次元拡張ハバードモデルに対して行い、確かにドメイン励起の特徴が現れることを初めて見出した。このモデルは中性イオン性相転移を示すTTF-CAに対応するが、本結果は中性相中のイオン性相ドメインの放射光による直接的定期の可能性を強く示唆する。また、これら2つの物理量はドメイン励起という意味では前述の通り共通の特徴を有するが、一方で、その発現の仕方は運動量依存性まで考慮するとかなり違うことも分かり、これは物理量の特徴に基づく本質的なことを考えられる。特に、重要なのは角度分解光電子分光においてはスピン励起が畳み込まれて角度依存性をより平均化してしまうという点である。 また、本年度は2次元系における動的密度行列繰り込み群法(DDMRG法)のプログラムも作成し、開発のほぼ基本的なことを終えることが出来た。モデルは研究実施計画に言及したBEDT-TTF系を想定して、1/4充填(単一)電子バンドを有する拡張ハバードモデルである。この系に開発したプログラムを適用して、現在の所、計算時間はかなりかかるが、一応7×7までの系の計算が出来るようになった。物理的には基底状態の電荷秩序状態やその光学励起状熊が正しく計算できること確認している。
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Research Products
(3 results)