2008 Fiscal Year Annual Research Report
走査トンネル顕微鏡を用いたボロンドープダイヤモンドの超伝導電子状態の研究
Project/Area Number |
19540357
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西嵜 照和 Tohoku University, 金属材料研究所, 助教 (90261510)
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Keywords | ボロンドープダイヤモンド / 超伝導 / 走査トンネル顕微鏡 / トンネル分光 / ナノ電子状態 |
Research Abstract |
平成20年度は, 下記(1)〜(3)に示すように, 前年度に整備された極低温トンネル分光装置を用いて, ボロンドープ超伝導ダイヤモンド薄膜のSTM/STS測定を行った. (1) ボロンドープダイヤモンド薄膜の作製と評価 : 前年度に引き続き, ボロンドープ超伝導ダイヤモンド試料は気相成長法で作製し, (100)成長したエピタキシャル薄膜を測定に用いる. この薄膜試料は研究協力者である高野義彦博士(物質材料研究機構)と川原田洋教授(早稲田大学)のグループより提供を受けた. (2) 清浄試料表面の作製 : ボロンドープダイヤモンド薄膜において, 清浄な表面を準備するために, 真空熱処理法を用いてボロンドープダイヤモンド薄膜表面の清浄化を行った. 前年度に整備した高真空加熱装置熱処理装置を用いて, 熱処理後真空を破らずに試料をSTMヘッドに搬送し低温STM/STS測定行った. (3) STM/STSによる電子状態の測定 : STM/STS測定は3He冷凍機を用いた低温, 超高真空STM装置を用いることで, 最低温度T=0.35Kから臨界温度Tcの間の広い温度範囲で測定を行った. 平成20年度は, Tc=5K程度の(100)配向エピタキシャル薄膜を中心に実験を行った. STS測定の結果, コヒーレンスピークが鋭い明瞭な超伝導スペクトルを得た。また, 磁場中でトンネル分光測定を行うことでポロンドープダイヤモンドにおける渦糸量子の観測に成功した.
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