2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540364
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
松本 正茂 Shizuoka University, 理学部, 准教授 (20281058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 幹人 静岡大学, 教育学部, 准教授 (40324321)
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Keywords | spin-wave / longitudinal excitation / quantum phase transition / neutron scattering / Raman scattering / spin dimer / spin gap |
Research Abstract |
当初の研究計画通り、スピンダイマー系における磁気励起の理論を、磁気異方性のある場合に拡張した。具体的には、スピンダイマーの平均場解を数値的に求め、得られた局所的な状態(スピン多重項)に対してボーズ粒子を導入し、磁気励起を記述する理論を定式化した。この方法は複雑な磁気異方性がある場合でも計算機を用いて比較的容易に磁気励起が得られるという特徴があり、拡張性が高い理論である。 次に、上述のように定式化した理論を、スピンダイマー系における電子スピン共鳴へ適用し、選択則を導いた。この成果は磁気励起の理論とともに、J. Phys. Soc. Jpn. 77(2008)074712(13 pages)として出版されている。 当初の研究計画には無かったが、スピンダイマー系の圧力誘起量子相転移にともなう磁気励起を詳しく解析した。その結果、圧力誘起磁気秩序相では、磁気モーメントが伸び縮みする振幅モードスピン波が実際に観測されていることを、非弾性中性子散乱の実験結果と理論を比較して明らかにした。この成果は実験結果とともに、Phys. Rev. Lett. 100(2008)205701(4 pages)として出版されている。 磁場誘起秩序相において観測された磁気ラマン散乱の実験結果を理論的に解析した。その結果、スピンダイマー系において、磁気ラマン散乱は振幅モードスピン波を選択的に観測するプローブであることを明らかにした。この成果は、Phys. Rev. B 77(2008)134420(5 pages)として出版されている。
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