2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540366
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉山 清寛 Osaka University, 大学院・理学研究科, 准教授 (00187676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 芳範 日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (90354901)
松田 達磨 日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究員 (30370472)
本間 佳哉 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (00260448)
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Keywords | ウラン化合物 / 超ウラン化合物 / パルス強磁場 / 強相関電子系 / 重い電子系 / 磁化過程 |
Research Abstract |
本年度はこれまで予備的に行ってきた実験を継続し、その結果をアメリカのヒューストンで行われた強相関電子系の国際会議(International Conference on Strongly Correlated Electron Systems,Houston,U.S.A.)にて発表した。これは、超ウラン化合物の磁性を理解する上で重要な、強相関電子系のメカニズムを明らかにするために必要な研究で、f電子のホールが一個であるYb^<3+>イオンを持ったYbCu_2Si_2の強磁場磁化を測定し、その磁性の一端を明らかにした。 超ウラン化合物を調べる上で重要となる鍵が低温の磁性である。その磁性を理解する上で重要な鍵を握るので、パルス強磁場と^3Heを用いた低温装置を組み合わせることに多くの労力を割き、温度は目的の0.6Kに達した。ノイズの除去を現在進めており、下記に示す感度向上の取り組みとともに、来年度の測定の準備が整いつつある。 本研究では、超ウランおよびウラン化合物の純良単結晶を用いた研究であるため残留抵抗が小さく、パルス磁場による渦電流の効果を避けるために薄く小さな資料を用いなければならない。そのため、磁化のシグナルが当然小さくなるので、今まで以上に感度を上げたピックアップコイルシステムの開発が必要である。パルス磁場による誘導起電力の上昇を避けるために、できる限りピックアップコイルは小さくしなければならない。そのために、線材の超極細化にとりくんだ。15μmの超極細導線を購入してシステムの改良に取り組んだが、開発中に更に細い、直径12μmという世界でも類を見ない細い導線を手に入れることが可能となったことがわかった。年度内納品が不可能となったので、研究を20年度に繰り越して継続したが、結局12μmの導線の開発に業者は失敗し、15μmので導線を用いて装置の改良を行った。これらの装置による実験は次年度で行う予定である。
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