2008 Fiscal Year Annual Research Report
イッテルビウム・サマリウム系希土類化合物が示す4f多電子状態の研究
Project/Area Number |
19540368
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
水戸 毅 University of Hyogo, 物質理学研究科, 准教授 (70335420)
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Keywords | 強相関電子系 / 物性実験 / 低温物性 / 磁性 / 核磁気共鳴 / イッテルビウム |
Research Abstract |
NMR(核磁気共鳴)/NQR(核四重極共鳴)スペクトロメータの設置 本研究予算によるパルス発生器と他予算による受信機を購入し、新たなスペクトロメータを設置した。これによって新たなパルスシーケンスを導入したNMR/NQR測定が可能となり、データ精度が飛躍的に改善された。この測定システムを、主には15テスラ超伝導磁石と組合せ、広い磁場レンジでの測定が可能となった。 イッテルビウム(Yb)系化合物のNMR測定 特に、低温で著しく大きな電子比熱係数(γ〜7.9J/molK^2)を示し注目を集めているYbCo_2Zn_<20>について、様々な磁場下(14テスラ以下)でのNMRとNQR(ゼロ磁場下)測定を行った。その結果、静帯磁率に関係するナイトシフトや低エネルギースピン相関に関係する核スピンー格子緩和率(1/T_1)が、低温下で強い磁場依存生を示すことが分かり、量子臨界点近傍におけるYb系化合物の特徴的な現象であると考えている。その他、YbCu_5の参照物質であるLuCu_5のCu-NQR測定を行い、YbCu_5の磁性に関して4f電子の寄与を考察することができた。 その他物質のNMR測定による成果 今回導入した新NMR/NQR測定システムにより、これまで難しかった擬一次元有機導体(TMTSF)_2X(X=PF_6とAsF_6)のスピン密度波(SDW)秩序状態(12K以下)におけるSe-NMR測定(単結晶試料を使用)を、15テスラ以下の磁場下で行うことが可能になった。これにより、約4Kにて生じる正体不明な相転移に関して新たな知見が得られた。
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Research Products
(10 results)