2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540371
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸根 順一郎 Kyushu Institute of Technology, 工学部, 准教授 (80290906)
|
Keywords | カイラル磁性体 / スピントロニクス / 異常ダイナミクス / スピンウィグナー結晶 / 非線形磁化 / 巨大応答 / 液晶とのアナロジー / 磁気光学効果 |
Research Abstract |
本研究は、カイラル磁性体という新しいタイプの電気的・磁気的環境を舞台として発現する現象を物性理論の立場から統合的に理解しようという新しい試みである。本研究計画最大の特徴は、物質合成、物性測定を専門とする実験研究者と緊密な連携をとりながら基礎理論構築を進めた点である。立ち上げ年度である19年度は、計画通りカイラル磁性体におけるスピン流の創成機構について研究を進め、カイラル磁性体において磁気慣性流が生じることを始めて示した。この結果は"Transport spin currents by a moving kink crystal in chiral helimagnets," I.G. Bostrem,J. Kishine,and A.S.Ovchinnikov,Phys.Rev.B77,132405(2008).として既に出版済みである。米国物理学会ナノテクノロジージャーナルの月間注目論文に選ばれるなど、既に注目されている。この成果は、数理物理的手法を得意とするアレキサンダー・オブチニコフ氏(ウラル州立大学理論物理学部・助教授)との連携に基づくものであり、今後も協力関係を維持する予定である。この過程で、物性基礎理論の立場からも本質的に新しく興味深い課題が山積していることが浮き彫りとなった。特に、現在活発に研究の進んでいるスピントロニクスと関連の深い諸問題が潜んでいることが明らかになった。本年度は、これまでに培った連携体制を維持しながら、理論研究として独自の新分野を開拓できたものと考えている。研究計画書に記した目標を十分達成したものといえる。
|
Research Products
(12 results)
-
-
-
[Journal Article] Commensurate to Incommensurate Transition in the Chiral Helimagnet CuB2O42008
Author(s)
T. Fujita, Y .Fujimoto, S. Mitsudo, T. Idehara, T .Saito, Y. Kousaka, S. Yano, J. Akimitsu, J. ishine, K. Inoue, and M. Motokawa
-
Journal Title
J.Phys.Soc.Jpn. 77
Pages: 053702/1-4
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-