2008 Fiscal Year Annual Research Report
結晶構造に反転対称がない3系の超伝導体の純良試料作製とNMR
Project/Area Number |
19540373
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
小原 孝夫 University of Hyogo, 大学院・物質理学研究科, 教授 (70107986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 光一 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 助教 (20203440)
本山 岳 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 助教 (20360050)
小山 岳秀 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 助教 (30397666)
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Keywords | 超伝導機構 / 核磁気共鳴 / 反転対称性 / 核磁気緩和率 / ナイトシフト / 強電子相関系 / 二相共存 / 非BCS機構 |
Research Abstract |
結晶中に反転対称をもたない3系のうちで、CePt3Siについては熱処理により超伝導相に2相(高Tc相と低Tc相)が独立に存在することに加えて、通常の熱処理した試料でもNMR測定用に粉砕化すると、溶解後急冷処理した試料に近い試料に変質していることが比熱測定で明らかとなった(論文発表)。さらにこの粉末試料を適当な条件で再度熱処理すると、もとの熱処理試料に近い(完全には戻らない)試料が得られることが、比熱測定から判明した(学会発表)。いずれもX線回折では、不純物相の存否まで含めてそれらの相違はまったく見られない。今後、高Tc相と低Tc相で各々ほぼ単相に近い試料をしかもNMR測定用に粉末形状で作製する必要がある。しかしながら、現試料でも低Tc層試料について、はっきり内部磁場が出ている状態でとったNMRスペクトラムでの核磁気緩和率の回復曲線は、以前の振る舞いと異なり単一の緩和時間で記述できることから微視的に独立2相の存在が確認できた(国際会議で発表)。反強磁性状態での磁気モーメントの向きについての結果の相違は、中性子回折(零外部磁場下〉とNMR測定(外部磁場中)間で矛盾のない説明が現段階ではつかなかった。今後結晶場効果の結果まで考慮し、非磁性LaPt3Siの結果と比較して議論を進める必要がある。一方CeCoSi3では、通常発現する超伝導は、CeCo2であると判明したが、組成上CeCoSi3を負の圧力(膨張)下で実現するために、SiをGeで置換した結果、50mK以下で反磁性(超伝導)の振る舞いが交流磁化率で観測された(学会発表)。しかし強磁性相がごく少しでもあれば、反磁性の出る温度が下がってくる可能性もあるので、CeCoSi3-xGexの試料について、CeまたはCoの方を化学量論比から僅かずらし、希釈冷凍機の温度領域で、より高温で発現する超伝導の探索をおこなう。(794字)
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Research Products
(19 results)