2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540375
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
古川 信夫 Aoyama Gakuin University, 理工学部, 教授 (00238669)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 宏 青山学院大学, 理工学部, 教授 (20192750)
堀田 知佐 京都産業大学, 理学部, 講師 (50372909)
|
Keywords | 物性理論 / メモリー効果 / 電荷整列 / 電荷密度波 |
Research Abstract |
直流電気伝導度に現れるメモリー効果は、広義の摩擦現象の一種と見ることができる。低電場下での絶縁状態は、駆動力が最大静摩擦力より小さく静止している状態であり、ある閾値以上の駆動力をかけることにより電荷は運動を始め、静摩擦力より小さな動摩擦力を受けるようになり電気伝導度は急激に上昇する。一度、運動を始めると、動摩擦力を受け続けるので、駆動力が最初の閾値以下に下がっても運動を続ける。この観点から課題の機構解明のため、界面及び固体内摩擦系の研究を行った。 二次元異方的三角格子上の強相関電子系をtV模型によって解析した。電子間クーロン相互作用Vの異方性(V'/V)のもたらすフラストレーション効果の大小が系の電子状態を決定する。V'=Vの場合について、様々なフィリングにおける伝導電子のスペクトルを明らかにし、pinball的な状態密度を得た。1/2-fillingでは、ある1方向の異方的な相互作用V'が大きい時(V'>V)電荷はV'の方向で隣に並ぶのを避け、V方向のストライプ状の電荷秩序絶縁状態が形成される。この状態に電子あるいはホールをドープすると、ストライプに平行な伝搬に加え、電荷が二つの分数電荷e/2に分かれてV'方向に伝搬する特異な状態が出現することを明らかにした。また二次元異方的三角格子α-ET2I3において近年話題になっているディラックコーンが出現する条件についても明らかにした。
|