2007 Fiscal Year Annual Research Report
銅酸化物超伝導体及び関連物質のトンネル分光研究及び新物質探索
Project/Area Number |
19540378
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
宮川 宣明 Tokyo University of Science, 理学部, 准教授 (20246680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常盤 和靖 東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (60307709)
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Keywords | 多層系銅酸化物超伝導体 / トンネル分光 / 電子ドープ銅酸化物超伝導体 / 超伝度ギャップ / 擬ギャップ |
Research Abstract |
銅酸化物高温超伝導体の超伝導機構解明に向けて多くの研究がなされて来ている。トンネル分光研究は高いエネルギー分解能でフェルミレベル近傍の準粒子状熊密度を直接的に知ることができ、超伝導ギャップや対形成相互作用の原因を調べることができる。研究代表者は、本年度はまだ十分な研究がなされていない多層系銅酸化物(Tl系、Hg系、頂点F系)及び電子ドープ系のトンネル分光研究を行った。多層系では、特にそのドーピング依存性をも調べた。その結果、IP面及びOP面にキャリアが不均一にドープされることを反映し、2種類の超伝導ギャップが存在すること明らかにし、またIPおよびOPに起因した超伝導ギャップの大きさの差は、ホール濃度の減少とともに小さくなっていく事を明らかにした。電子ドープ系では、本年度はPrLaCeCuO系に注目、そのトンネル分光測定を行い、ギャップの対称性はd波的であること、またCe濃度0.11の最適ドープ試料では、TC以上で擬ギャップが存在しないことを明らかにした。これらの結果は、電子-ホール系の相図の非対称性を論ずる上での重要な実験事実を提供することができた。また物質探索として、Pd系材料に注目し、Nd2PdO4の合成には成功し、それにキャリアを注入することには成功してない。それと並行して、銅酸化物のホールドープ系電子トープ系の銅サイトをPdで置換することにより、Y系のみでPdの微小置換でTCの示す結果が得られた。これらの異常については次年度明らかにする予定である。
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Research Products
(7 results)