2007 Fiscal Year Annual Research Report
量子モンテカルロ法と第一原理計算による2次元強相関系の研究
Project/Area Number |
19540388
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
柳澤 孝 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, エレクトロニクス研究部門, 研究グループ長 (90344217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 泉 独立行政法人産業技術総合研究所, 主任研究員 (00357774)
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Keywords | 強相関雷子系 / 計算物理 |
Research Abstract |
負符号問題のない量子モンテカルロ法として、量子モンテカルロ対角化法のプログラムを構成した。この方法においてハミルトニアンを対角化する際の基底関数の数をより多くし、基底関数の生成に遺伝アルゴリズムを適用して最適化の効率を上げた。行列の演算を並列化し計算スピードを飛躍的に向上させた。小さいクラスターにおいて、厳密対角化法による結果と比較し正しい結果が得られることを確かめた。反強磁性、超伝導などの相関関数とそれらの静的な感受率を計算するプログラムを構成した。現在、相関関数と感受率の計算を行なっている。また、負符号問題のない量子モンテカルロ法の第二の手法として「拘束されたパスによる量子モンテカルロ法」のプログラムも開発した。 また、変分モンテカルロ法において、波動関数をGutzwiller型からGutzwiler-Jastrow型に改良し、ニュートン法によってマルチパラメータ空間内での安定な解を探すアルゴリズムを構築した。特に、La系の高温超伝導体に対応するパラメータに対して実験とコンシステントな超伝導凝縮エネルギーのサイズ無限大極限が得られることがわかった。 Bi、Pbなどの価数スキップゆらぎを示す元素が自然界には多数存在するが、なぜ、価数スキップ現象が起こるのかは明らかになっていない。価数スキップ揺らぎの主要な起源は長距離のクーロン相互作用にあると我々は考えており、BaBiO_3に対してマーデルングエネルギーの計算を行い、価数スキップ状態の安定性と負イオンの分極率との相関を明らかにした。
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