2008 Fiscal Year Annual Research Report
量子モンテカルロ法および第一原理計算による2次元強相関系の研究
Project/Area Number |
19540388
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
柳澤 孝 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, エレクトロニクス研究部門, 研究グループ長 (90344217)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 泉 産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門, 主任研究員 (00357774)
|
Keywords | 強相関電子系 / 計算物理 |
Research Abstract |
高温超伝導の相図を明らかにするために、量子変分モンテカルロ法による大規模なシミュンを、ハバードモデルおよびd-pモデルに対して行った。最近、実験により多層系の高温超伝対して反強磁性と超伝導の共存が報告されている。われわれは、d-pモデルに対してそのようも考慮したモンテカルロ計算を行い、二次元のd-pモデルに対するを相図を明らかにした。実ドープ域(ドープ量X<0.18)では反強磁性と超伝導が共存し、さらにキャリアー数を増や伝導が単独で安定になることが明らかになった。また、Bi2212等の高温超伝導体で報告され異な電荷秩序状態(チェッカーボード状態と呼ばれている)の安定性を2次元ハバードモデて変分モンテカルロ計算を行うことにより明らかにした。バンド構造を決める重なり積分t'パラメーターとして基底状態のエネルギーを計算し、Bi2212系の銅酸化物に対して得られてド構造を含むパラメーター領域でチェッカーボード状態が安定となることを示した。 負符号問題のない量子モンテカルロ法である量子モンテカルロ対角化法および拘束経路量子モンテカルロ法により、2次元ハバードモデルの基底状態におけるスピン感受率および超伝導感受率を計算した。超伝導感受率が、コスタリッツ-サウレス型相転移を特徴づける、サイズLに対する2乗依存性を示すパラメーター領域があることを示した。すなわち、2次元強相関系において、コスタリッツ-サウレス転移として超伝導転移が起こることを見いだした。
|