2008 Fiscal Year Annual Research Report
格子模型のフラクタル構造と平衡および非平衡系への展開
Project/Area Number |
19540400
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
南 和彦 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (40271530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 哲郎 名古屋大学, 理学(系)研究科, 准教授 (30211238)
渡辺 宙志 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (50377777)
永尾 太郎 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (10263196)
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Keywords | 可解格子模型 / IFSフラクタル |
Research Abstract |
Six-vertex模型の状態空間においてIce ruleをみたす配位の生成の規則はIFSによって記述され、可能な配位の全体は熱力学的極限においてIFSフラクタルになる。six-vertex模型において、対応するフラクタル集合を構成し、そのフラクタル次元と自由エネルギーとの関係を定式化した。この結果、格子模型において境界条件を分類するn-equivalenceに加えて、可解模型での基本的な道具である伝送行列にあたる構造が、フラクタル幾何において既に知られていたことが分かる。この対応関係は一般に伝送行列によって取り扱われる格子模型で同様に成り立つ。この結果を報告した論文が投稿中である。 正方格子Ising模型の各単位正方形の中央にXYZ型の相互作用をするspin pairを置き、周囲のIsing spinと相互作用させた模型は、Ising spinの自由度をtrace outすると場の中でゆらぐdimer modelであり、相互作用の適当な極限をとると1次元あるいは2次元のIsing模型に帰着する。この模型をそのXYZ相互作用をtrace outすることによってBaxter模型に帰着し、自由エネルギーを厳密に書き下した。相図にはリエントラント転移が現れ、また臨界指数は普遍性仮説を破る。この結果を報告した論文も投稿中である。 今年度は確率過程とネットワーク系に関する情報収集を集中的に行った。この分野では可解性とともにカオスが重要である。ひき続き格子模型の理論のこれらへの応用を具体化する。
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