2008 Fiscal Year Annual Research Report
高温・超高圧下における液体の圧力誘起構造変化の理論的研究
Project/Area Number |
19540404
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
星野 公三 Hiroshima University, 大学院・総合科学研究科, 教授 (30134951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗尻 修治 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (90353119)
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Keywords | 液体金属 / 圧力誘起構造変化 / 第一原理シミュレーション / 分子動力学法 / ナトリウム / スズ |
Research Abstract |
本研究の目的は、超高圧下における液体金属の圧力誘起構造変化を理論的に研究することである。 本年度は主として、液体ナトリウムおよびスズにおける圧力誘起構造変化を第一原理分子動力学シミュレーションにより調べた。 〔1〕液体ナトリウムにおける圧力誘起構造変化 高温・高圧下におけるナトリウムの融解曲線を理論的に求め、実験結果および他の理論的結果との比較検討を行った。今年度は、第一原理分子動力学シミュレーションを用いて、種々の圧力においてナトリウムの結晶状態から温度を上昇させて、結晶状態から液体状態へ変化する温度から融点を求めた。1気圧〜100万気圧の広い圧力領域での融解曲線を求め、30〜60万気圧付近に融点極大が存在することを明らかにした。また、最近X線回折実験により得られた融解曲線および他の研究者によるシミュレーションの結果と比較検討した結果、超高圧下では、隣り合うナトリウム原子のコア電子(2p)の波動関数の重なりを考慮することが重要であることを明らかにした。 (2)液体Snにおける圧力誘起構造変化 高温・高圧下における液体Snの圧力誘起構造変化が特異な性質を示すことがイタリアのDiCiccoらのX線吸収スペクトル実験によって指摘されている(Phys. Rev. Lett. 91,135505(2003))。我々は、0気圧〜4万気圧の高圧領域での圧力誘起構造変化を第一原理分子動力学シミュレーションにより調べ、圧力の増加に伴って、液体スズが複雑な共有結合的非等方的構造から単純な金属的等方的最密構造へと変化することを明らかにした。
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Research Products
(11 results)