2009 Fiscal Year Annual Research Report
高温・超高圧下における液体の圧力誘起構造変化の理論的研究
Project/Area Number |
19540404
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
星野 公三 Hiroshima University, 大学院・総合科学研究科, 教授 (30134951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗尻 修治 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (90353119)
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Keywords | 液体金属 / 圧力誘起構造変化 / 第一原理シミュレーション / 分子動力学法 / スズ / アモルファス氷 |
Research Abstract |
本研究の目的は、超高圧下における液体金属の圧力誘起構造変化を理論的に研究することである。本年度は主として、液体スズにおける圧力誘起構造変化を第一原理分子動力学シミュレーションにより調べた。また、過冷却水で問題になっている圧力誘起低密度液体-高密度液体転移に関連して、アモルファス氷における圧力誘起構造変化を分子動力学シミュレーションで調べた。 〔1〕 液体Snにおける圧力誘起構造変化 高温・高圧下における液体Snの圧力誘起構造変化が特異な性質を示すことが実験によって指摘されている(Phys.Rev.Lett.91,135505 (2003))。我々は、0気圧~4万気圧の高圧領域での圧力誘起構造変化を第一原理分子動力学シミュレーションにより調べ、圧力の増加に伴って、液体スズが複雑な共有結合的非等方的構造から単純な金属的等方的最密構造へと変化することを明らかにした。また、シミュレーションで求めた動的構造因子から音速を導出すると、縦波だけでなく横波も存在することを明らかにした。 〔2〕 アモルファス氷における圧力誘起構造変化 水分子間の相互作用としてTIP4Pモデルを用い、分子動力学シミュレーションにより、低温におけるアモルファス氷の構造の圧力依存性を調べた。シミュレーションで求めた平均自乗変位、酸素-酸素動径分布関数、平均配位数、ボンド角分布などから、圧力誘起低密度アモルファス氷から高密度アモルファス氷への転移が、4配位構造から5配位構造への変化であることを明らかにした。
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Research Products
(9 results)