2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540412
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
冨田 成夫 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (30375406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 博 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (40111364)
今中 雅士 理化学研究所, ナノ粒子測定技術研究チーム, 基礎科学特別研究員 (00415085)
笹 公和 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (20312796)
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Keywords | 放射線 / クラスター / 原子・分子物理 / 加速器 / 気候変動 / エアロゾル |
Research Abstract |
平成19年度としては、加速器を用いた液滴生成実験と差動排気部、飛行時間測定装置の完成を目標としていた。 加速器を用いた液滴生成に関しては、まず、trace gasを含まない場合の液滴生成機構における、正負イオンの役割について陽子線を用いた場合とコロナ放電を用いた場合の差から、議論を行った。その結果、大気中での液滴生成は正負荷電状態の微小液滴による融合課程の反応率がクーロン引力によって増加することによって促進されていることが示唆された。この結果については、国際会議において発表を行い、近日中に論文雑誌に投稿する。 平成19年度後半からはtrace gasとしてSO_2を含んだ実験をおこない、液滴の生成に関するSO_2の役割について定量的な議論を可能とするべく、実験的研究をさらに進めている。現在の時点で、これはSO_2の大気中での酸化過程が重要な反応であり、この酸化過程における液滴の役割に注目している。これは産業排出ガス中に含まれるSO_2のコロナ放電による除去や、酸性雨など環境科学問題に密接にリンクしており、重要な課題であると考えている。 一方、液滴の成分分析を行うための装置開発は、現時点までに差動排気部の設計、製作が終了した。ESI装置に必要な電子回路の手配もほぼ完了しているので、早急に組み立て、動作テストを行う。飛行時間部については設計段階からの見直しを行うことにした。あらたな設計は理化学研究所と協力することによって行う。これにより、液滴研究のみならず、大気圧での化学反応についての大気科学的な研究も同じ装置で行えるようにする。
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Research Products
(5 results)